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原発交付金制度は段階的に廃止すべき [行動指針]

この国と原発:第1部・翻弄される自治体 清水修二・福島大副学長の話
 ”原発が立地するのは、いずれも過疎地域だ。高度経済成長期に
 電力需要の増大を見込んだ国と、高度成長に取り残されたくない
 弱小自治体の切迫した思いが一致した形で、原発の建設は進んだ。
  自治体側は産業の集積や都市化が進むことを期待した。
 しかし、建設業を中心に一定の経済効果はあったものの、
 一過性のものでしかなかった。電力は送電線で遠くに運べるため、
 一般企業が原発近くに工場を設置するメリットは少ない。原発関連
 産業の多くは特殊な分野で、地元の中小企業が担うのは難しい。
 一方で、原発労働者の給料は地元企業の水準より高いため、
 労働力の多くは原発に吸収される。その結果、地域の産業
 構造は原発だけに依存したいびつなものとなってしまう。
  一方、電源3法交付金と固定資産税によって急に裕福になった
 自治体は、財政規律がどうしても緩みがちになる。当初、交付金
 の使途が「ハコモノ」やインフラに限定されていたのは、効果を
 目に見えるようにしたいと国が考えたからだろう。市町村の首長
 にとっても、実績を形に残せるから好都合だった。創意工夫が
 必要なソフト事業よりハード事業のほうが楽なのだ。そうして
 道路など公共施設に多額の支出がなされた。
  しかし、交付金や固定資産税収が減っていく一方で、公共施設
 の維持管理コストは増大する。原発に新たな設備投資がなければ、
 収入を維持することができない構造だ。原発の増設を望む自治体
 があるのは、こうした理由からだ。”
  ”それでも中都市並みの所得と豊かな財政を得られる原発は、
 過疎地域の自治体には魅力的に映る。福島の事故後の統一
 地方選でも、原発立地自治体で推進派が多く当選する
 大勢に変化はなかった。
  ”原発の存在には地域格差が前提なのだ。
 まるで貧しい人の前にごちそうを並べて手を出すのを待つ
 ような交付金の仕組みは、倫理的にも許されない。
 交付金制度は段階的に廃止すべきだと考える。
  地域とは「人らしく生きられる場所」でなければならない。今回の
 惨事を目の当たりにしてもなお、原発に地域の未来を託せるのか。
 原発を地方自治の問題として考え直す必要があると思う。”
 (抜粋、改行・強調おいら)
 
人らしく生きられる場所を確保するため、
原発の推進源泉である「原発交付金制度」は段階的に廃止すべきだ
とする、清水修二・福島大副学長。
この人に「貧しい人の前にごちそうを並べて手を出すのを待つ
とまで言わしめる、原発交付金とは?
 
この国と原発:第1部・翻弄される自治体(その2止) 原発マネーが侵食
 ”原発立地自治体が受け取った「原発マネー」(判明分)と各原発の概要。
  
 ”
  ”■自治体に流れた「原発マネー」総額(判明分)
 電源3法交付金総額   9152億8300万円
 道県の核燃料税     6749億6820万円
 原発に伴う市町村税   8920億1299万円
 電力会社からの寄付    530億3814万円
 合計        2兆5353億 233万円
  ※電源3法交付金総額は経済産業省資源エネルギー庁編
 「電源開発の概要 2010」より集計。電力会社からの寄付には
 都道府県への寄付も含む
  ■核燃料税を導入している道県の累計税収額
                 導入年度
 北海道  139億 900万円   89
 青森  1362億     円   93
 宮城   158億5115万円   83
 福島  1238億3581万円   78
 新潟   522億7900万円   85
 茨城   258億7000万円   78
 静岡   370億2500万円   80
 石川    93億2900万円   93
 福井  1568億     円   76
 島根   166億3324万円   80
 愛媛   264億9400万円   79
 佐賀   350億6000万円   79
 鹿児島  256億8200万円   83
 合計  6749億6820万円
  ※2010年度までの累計額”
 (抜粋、改行・強調おいら) 
 
毎日新聞で原発マネーに関する特集が「この国と原発」シリーズとして
組まれている。
脱原発派の人は、上記リンクを一読してほしいと思う。
 
原発交付金(電源3法交付金)とは、
いわゆる原発マネーの構成要素で原発特有の交付金であり、
迷惑料 かつ 地域を原発漬けにするためのツールなのでした。 
 
以下は、おいら用のまとめ。

原発マネー(原発交付金)の構成
 1.電源3法交付金
  ・電促税の概要を定めた「電源開発促進税法」
  ・交付金について定めた「発電用施設周辺地域整備法」
  ・交付金を支出する特別会計について定めた「特別会計に関する法律」
  に基づく交付金。
  (1)恩恵を受ける主な対象:立地道県・市町村、周辺自治体。
    ・道・県にも交付されるため、原発から離れた市町村や住民も
     一定の恩恵を受ける。
  (2)財源:電力会社から徴収する「電源開発促進税(電促税)」
   ・財源の電促税は、一般家庭からも電気料金に上乗せして徴収
    されている。税率は何度か変更され、現在は375円/1000kWh。
    1世帯あたりの月平均消費電力300kWhで計算すると、おいら達は
    原発維持推進のため毎月113円(1世帯)を電気料金として
    支払っていることになる。
  (3)使途:
  a.「電源立地地域対策交付金」
   ・交付金のほとんどを占める。
   ・当初は使途が公共施設やインフラ整備に限定されていた
    (立地市町村の庁舎が立派な造りで、スポーツや文化施設も充実
     しているのはこのため)。
   ・維持管理に使えず、市町村の財政を圧迫したため、'03年に使途の
    制限が大幅に緩和された。
    現在は「公共用施設整備」と「地域活性化」に大別され、福祉などの
    「ソフト事業」にも使われている。
   ・住民生活に密着した分野にまで原発マネーが入り込んでいる形で、
    原発への依存が深く進んでいる。
     例:福島第1原発5・6号機のある福島県双葉町は'09年度、
      ・ごみ処理や消防など広域事務組合の負担金
        1億1910万円のうち1億1830万円(99.3%)、
      ・食事の宅配や介護用品給付など高齢者福祉サービス
        5176万円のうち3520万円(68%)
     等に交付金を充てた。 
   ・自治体への交付金にはさまざまな加算もあり、
     ・プルサーマル受け入れ
     ・定期検査間隔の拡大
     ・運転開始後30年以上経過している
    等、住民が不安になる条件を引き受けるほど高額に支給される。
  b.「原子力立地給付金」
   ・立地市町村と周辺地域の家庭・企業に直接支給する交付金。
   ・原発の出力が大きいほど多額になる。
   ・福島第1原発では1世帯あたり8400円/年が振り込まれた。
   ・「電気料金の実質的な割引」(経済産業省資源エネルギー庁)
    が目的。

 2.固定資産税
  原発運転開始後における、立地市町村の大きな収入源。
  (1)恩恵を受ける対象:原発立地自治体(市町村)
  (2)財源:原発設備を持つ電力事業者の固定資産税。
  (3)使途:制限無し(自治体にとっては使い勝手がいい)
  ・発電設備は時間の経過によって価値が下がる「減価償却資産」
   のため税収は年々減り、5年で ほぼ半減。
   原発は耐用年数が15年間と財務省令で定められており
   16年後以降は最低限度額(最初の評価額の5%)に対してしか
   課税されない。
  ・原発立地自治体でつくる「全国原子力発電所所在市町村協議会」
   (全原協、事務局・福井県敦賀市)のモデルによると、立地市町村
   には建設費4000億円の原子炉1基で、初年度は35億円以上の
   税収も、耐用年数経過後は1億円余りに低下。
   実際には30年を超えて運転している原子炉もあり、
   全原協は毎年、法定耐用年数の延長を国に要請している。

 3.核燃料税
  (1)恩恵を受ける対象:原発立地自治体(道・県、市町村)
  (2)財源:核燃料を持つ電力事業者の核燃料税
  (3)使途:各自治体の取り決めによる
  ・原発を抱える自治体が、運転中の原子炉内の核燃料を対象に
   電力会社に課す地方税。福井県が'76年、安全対策や地域振興など
   を目的に初めて創設し、現在は原発のある全13道県が導入している。
  ・核燃料の価格に対して12~14.5%の税率を課している。これまでに
   6700億円余りが13道県にもたらされた。福井県では今年7月、
   停止中の原発にも課税することで、実質税率が全国最高の17%
   となる新条例が成立した。
  ・使い終わった核燃料にも重量単位で課税する「使用済み核燃料税」
   もある。市の独自課税で、新潟県柏崎市と鹿児島県薩摩川内市が
   '03年から導入。燃料の使用中は県が、原子炉から出されたら市が
   取る形となる。

 4.寄付
  (1)恩恵を受ける対象:原発立地自治体(道・県、市町村)
  (2)財源:電力事業者の、恣意的な他意のない善意w の寄付金
  (3)使途:制限無し(自治体にとっては使い勝手がいい)
  ・電力会社から直接自治体にもたらされる原発マネー。
  ・新潟県柏崎市の「柏崎・夢の森公園」は、里山を復元し、研修施設
   などを備えた約30ヘクタールの公園。「『持続可能な暮らし方』を実践
   するためのモデル作りと情報発信」(同公園ホームページ)を目指して
   いるという。この公園は東京電力が'97年、柏崎刈羽原発の全号機完成
   を記念して造成を始め、'07年に市に寄付した。総事業費60億円。
   うち18億2000万円は維持管理費として現金で寄付された。
   ハコモノと維持費をそっくり東電がプレゼントした形。
  ・四国電力は伊方原発建設の際、交付金制度ができる直前の3年間、
   愛媛県伊方町に計57億円寄付した。寄付が交付金と同じような役割
   を果たしていた形。
  ・現在でも、交付金代わりになっているケースがある。電力10社
   で構成する電気事業連合会(電事連)は今年3月、海外から返還される
   低レベル放射性廃棄物の受け入れに伴い、青森県が出資する財団
   に2年間で総額10億円を寄付することを決めた。最終的には交付金
   対象外の県内25自治体に配分される。
  ・億単位の寄付が匿名で行われることも多い。交付金制度には
   本来、こうした不透明さを払拭(ふっしょく)する狙いもあった。
   電源3法が審議された'74年5月の衆院商工委員会で中曽根康弘
   通産相(当時)は、こう述べたという。
   「寄付金というような場合はややもするとルーズで恣意(しい)的
   な性格があります。そういう面から見まして、私は交付金というような
   折り目筋目を正したやり方でやるほうが筋としてはいいんじゃないか」
   しかし、その後も30年以上、脈々と寄付は続いている。
    「あるよ~。言う事聞いてくれたら、また寄付しちゃうかもね~」
 

交付金・寄付金の財源は、全て電力事業者。 
しかし電力事業者の主たる収入源は、おいら達一般庶民。 
結局の所、究極的な原発交付金の源泉は、おいら達一般庶民か。
 
こうした原発マネーの動きに対し、おいら達に
すぐ出来るささやかな抵抗は、電力会社の売上を落とさせること。
つまり節電したり、自ら発電したりすることになるか。

夏の暑い盛りも どうやら終わり、電力危機もひとまず遠のいたようだが、
節電は これからも より一層必要ですな。

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