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玄海原発の再稼働と佐賀県知事の判断 [安全対策]

原発の再稼働、混迷深まる 佐賀県知事、経産相と会談調整 
 ”運転停止中の原子力発電所の再稼働問題が混迷を深めている。
 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開問題で、
 週内とみられていた古川康・佐賀県知事の判断は来週にずれ込む見通しとなった。
 同知事は今週中にも海江田万里経済産業相を招き、会談する方向で調整している
 が、国の安全基準に疑問符がついているだけに、結論が出るかどうかは
 不透明だ。”
 ”一方、古川知事は27日、県民を対象にした数百人規模の説明会を県主催
 で来週開催する方針を表明した。26日に経産省が佐賀市内で開いた県民向け
 説明会が不評だったためだ。同会の時間は1時間半にとどまり、参加する県民も
 7人に絞っていた。県の説明会は玄海原発の緊急安全対策などを中心に、県民と
 経産省の担当者らによる討論会形式とする。”
  ”佐賀県は菅直人首相に来県を求め、政府の考えを示すよう要請することも検討
 している。
  福井県など原発が立地する他の県知事はおおむね原発の早期再稼働について
 反対姿勢を強めている。明確な賛否を表明していない佐賀県の古川知事の
 判断は、今後の原発再稼働問題を左右する公算が大きい。
 (抜粋、改行・強調おいら)

定期点検の終わった原発の再稼働問題が混迷している。
古川知事の判断で、全国の原発の再稼働が行われるかどうかが左右される模様。
玄海原発では1号機・4号機が現在稼働中で、2号機・3号機が定期点検が終了
したため再稼働させようとしているところである。

おいら的には玄海原発の稼働については、
 4号機の稼働:○(いいんじゃないの)
 3号機の稼働:○(いいんじゃないの)
 2号機の稼働:△(やめといたほうが)
 1号機の稼働:××××××××××(廃炉にしろ!)
と思っている。

根拠は
運転年数と、脆性遷移温度の測定結果。

佐賀・玄海原発:1号機原子炉、想定超す老朽化
 専門家「急冷却で破損の恐れ」
  ”九州電力玄海原発1号機(佐賀県玄海町)の原子炉圧力容器の老朽化が、
 従来の予測を超えて進んでいることが、九電の資料や専門家の分析で
 分かった。原子炉が中性子を浴びるほどもろくなる「脆化(ぜいか)」と
 呼ばれる現象で、大地震などで急激に炉心を冷やした場合に圧力容器を
 破損する危険性が増す。九電は従来予測を上方修正した上で「安全性に問題
 ない」とするが、専門家は「予測不能に陥っており、安全検査を徹底すべきだ」
 と指摘している。
  玄海1号機(出力55万9000キロワット)は75年10月に稼働した九電
 最古の原発。予測以上の脆化が判明したことで、他の古い原発の安全性も
 問われそうだ。”
  ”九電によると、1号機の運転開始時の脆性遷移温度は零下16度。76~93年
 の計3回の検査で35度↓37度↓56度と上昇し、09年4月の4回目検査で98度
 と跳ね上がった。しかし、九電が03年に国に提出した技術評価書の予測では
 65度前後、誤差を考慮しても75度前後のはずだった。
  これを受け、九電は予測を実測値に合わせて上方修正した。一方、現在の容器
 本体の脆性遷移温度については、日本電気協会の予測式から80度と推定し、
 今後24年間稼働しても91度と予測している。新設原子炉の業界基準である93度
 を下回り、九電は「安全性は問題ない」と説明している。
  井野博満・東京大名誉教授(金属材料学)は「4回目の実測値は誤差の範囲を
 超えており、脆化を予測できなくなっている。『安全』と説明されても信頼性に
 欠ける」と指摘。「予測不能である以上、容器本体も98度と仮定して安全検査を
 徹底すべきだ」と訴えている。
  国内の原発でこれまで観測された脆性遷移温度の最高値は関西電力
 美浜原発1号機の81度。玄海1号機の98度はこれを更新した。
 (抜粋、改行・強調おいら)

電力各社は核燃料を納める圧力容器の老朽化を把握するため、容器内壁のさらに
内側に、容器本体と同じ材質(鋼鉄製)の試験片を4個以上設置。
数~十数年ごとに1個ずつ取り出して、脆化の指標となる「脆性(ぜいせい)
遷移温度」を測定している。

高校生~社会人一年生の時分に読んだ、広瀬隆の「危険な話」「眠れない話」
にも確か書いてあったな。

うろ覚えだが。
老朽原子炉においては、鋼鉄系なら通常-30℃以下で起こる「低温脆性」が
中性子を浴び続けた炉心部の鋼鉄(圧力容器、配管類など)においては+64℃
(だったと思う)とか高温で発生するようになり、原子炉を停止した際に配管破断・
圧力容器損壊が発生し、冷却材喪失によるメルトダウンの危険性がある、
というものだったと記憶している。

ちなみに低温脆性とは、常温なら力を加えても曲がるだけの針金が、
極低温になるとガラス棒を曲げたときのように脆くバキッと折れるようになるという
ことだ。
本来の粘り強さが無くなる。
脆性遷移温度は脆化が進むほど高くなり、容器が急激に冷やされて
この温度を下回ると壊れやすくなる。

で、当の玄海原発1号機では、その脆化温度が2009年の時点で+98℃だと。
・・・じゃあ、2011年現在の脆化温度は?

玄海原発には限界原発が混じっていたのでした。orz

玄海原発1号機などは、地震津波うんぬんでなく単純に通常停止するだけでも
事故の可能性があるんじゃないのか?

浜岡原発5号機は通常停止しただけで事故が発生し、
復水器内に400tというとんでもない量の海水が流入した。
これは配管キャップ溶接部の金属疲労が原因だという。

限界原発の場合、配管キャップどころか、圧力容器そのものが劣化・疲労している。
加圧水型原発の圧力容器配管内は、150気圧・300度以上の高圧・高温状態。
地震・津波・電源断など関係無く、ただ単に停止したときに
 圧力容器/配管が破断→一次冷却材流出→メルトダウン→水蒸気爆発/水素爆発
という流れだってありうるのではないか?

スクラム(緊急停止)だけは絶対やらないでもらいたいものだ。

wikiより。
玄海原子力発電所
 ”
 1号機
  原子炉形式: 加圧水型軽水炉(PWR)
  運転開始: 1975年10月15日
  定格電気出力: 55.9万キロワット
  原子炉熱出力: 165万キロワット
  燃料種別・装荷量: 低濃縮(約4~5%)二酸化ウラン燃料・約48トン
  燃料集合体数: 121体
  建設費: 545億円
 2号機
  原子炉形式: 加圧水型軽水炉(PWR)
  運転開始: 1981年3月30日
  定格電気出力: 55.9万キロワット
  原子炉熱出力: 165万キロワット
  燃料種別・装荷量: 低濃縮(約4~5%)二酸化ウラン燃料・約48トン
  燃料集合体数: 121体
  建設費: 1236億円
 3号機
  原子炉形式: 加圧水型軽水炉(PWR)
  運転開始: 1994年3月18日
  定格電気出力: 118.0万キロワット
  原子炉熱出力: 342万3千キロワット
  燃料種別・装荷量: 低濃縮(約3~4%)二酸化ウラン燃料および
   プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料・約89トン
  燃料集合体数: 193体
  建設費: 3993億円
  2009年11月5日より、プルサーマル試運転。同年12月2日より営業運転を開始。
  MOX燃料費: 1回目18体10.7トンで139億6400万円。
           2回目20体13トンで150億8200万円。
 4号機
  原子炉形式: 加圧水型軽水炉(PWR)
  運転開始: 1997年7月25日
  定格電気出力: 118.0万キロワット
  原子炉熱出力: 342万3千キロワット
  燃料種別・装荷量: 低濃縮(約3~4%)二酸化ウラン燃料・約89トン
  燃料集合体数: 193体
  建設費: 3244億円
 ”
 (抜粋、改行・強調おいら)

玄海原発2号機は既に30年経過している老朽原子炉である。
原子炉の運転期間の世界平均は22年。
電気出力も3号機の半分足らずであり、リスクを負ってまで動かす必要はない
と思う。
どうしても動かすなら、1号機が安全に停止したのを確認してからにすべきだ。

玄海原発3号機はMOX燃料を使用しているものの、まだ2号機に比べて炉が
新しいため、動かしたいのなら動かしてもいいんじゃないの、と おいらは思う。

玄海原発1号機で、なぜ想定外に照射脆化が進んでいるのか?
原因究明と理論付けを急ぐ必要がある。

あと、玄海原発周辺で白血病が多いという話がある。
こちらも原因究明が必要だ。

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