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「フリーター」は「不利ー多ー」 [就職]

大卒10万人進路未定…就活中やフリーター多く
 ”この春に大学を卒業した約55万人のうち10万人以上が進学も就職も
 していない「進路未定者」であることが4日、文部科学省が公表した学校
 基本調査の速報で分かった。”
  ”調査によると、今春、全国780の大学を卒業した人は55万2794人。
 このうち就職したのは34万546人(男子17万7444人、女子16万3102人)で、
 就職者を卒業者で割った就職率は61・6%。
 男女別では女子が67・6%と、男子の57・0%を大きく上回った。
  卒業生のうち、進学も就職もしない人は10万7134人に上り、
 全体の19・4%を占めた。理科系では11・1~13・5%なのに対し、
 文科系は21・9~25・6%で、引き続き文系が苦戦している。
 10万7134人のうち1万9146人は一時的な仕事に就いていたが、
 文科省は「残りは就職活動中の人や、フリーターなどが多い」とみている。”
 (抜粋、改行・強調おいら)

大学進学率は引き続き過去最高を更新したが、2008年秋のリーマン・ショック
による世界的な金融危機で落ち込んだ雇用情勢は回復していないらしい。

CSR(企業の社会的責任)の観点からも正規雇用は重要だ。
 ・(個人では金銭的に扱えない高額の)最新技術・ソリューションに触れる
 ・重い職責に耐えることで人として成長する
 ・社会の軋轢の中で生き残る術を体得する
など、正規雇用を通じてしか身につけられないものがある。

しかし最近の企業は目先の利益確保を優先し、
非正規雇用に走っている。困ったもんだ。
長期的に見ると、鍛えられていない雇用者が溢れ、
日本社会に悪影響を及ぼすだろう。

「フリーターであること」は、何ら問題は無いが、
「フリーターしかやったことがない」のは問題だ。

まあ、たとえ低賃金であっても、それに代わるような
何かしらの得るものがあるなら別だが。

おいらはフリーターを経験したことがある。

数年前、まだグッドウィルが健在であったころ。
世間で流行っている「フリーター」なるものをやってみよう、と思った。
今までアルバイトってやったこと無かったし。
高校生のときは、
「アルバイトは高校中退の原因になる。
 もしアルバイトしたなら高校を退学させる!
という、高校を辞めさせたくないと願う親(母)のミラクル論理により、
アルバイトは出来なかった。

正社員しか経験してなかったし、世の中の仕事を広く見聞し体験するのも
手だと思ったのだった。

そういう訳で開始した、おいらのフリーター生活だが、
その中で、おいらの人生にとって有益だったのは、
クレジットカードの勧誘のお仕事だ。
「営業力」を身に付けることが出来た。

ガソリンスタンドでクレジットカードの「仮契約」や「本契約」の勧誘を
足かけ3ヶ月行った(勤務日数は、のべ15日)。

「営業は やりたくない、絶対無理」と思っていた おいらは、
技術屋を目指し、高校卒業後、家庭電化製品開発の技術職に就いた。
製品開発というのは、
 ・構想を練る
 ・構造を考える
 ・図面を描く
 ・試作する
 ・試験を実施する
 ・報告書をまとめる
といった、いわゆる技術的なことだけでなく、
 ・上司・同僚はもちろん、社内の製造組立部門の人や金型製造部門の人と
  打ち合わせ・調整をする
 ・試作部品の発注に関し、業者の人と打ち合わせや値切りの交渉をする
 ・QCサークルの社内発表会で大勢の前でプレゼンテーションする
 ・東京ドームのプリズムホールとかで系列店の人に製品説明する
 ・系列グループ販社の営業マンのヘルパーとして1ヶ月出向してお店周りする
とか、ルーチンワークでないにせよ営業的な要素があり、
閉じこもって狭い人付き合いの中だけで仕事をするもんだと
思い込んでいたおいらは面食らった。
しかし頑張って6年間勤め上げ、周囲の人々のおかげもあり、
上記に関する知見・スキルを得ることができた。

しかし「面と向かって目上の立場の お客さんに売り込む」という、
本質的な営業の経験は無かった。

「営業力も必要かも。営業力があれば、後々に色々な応用ができるかも」
「人として自分には無理と思う仕事にも果敢に挑戦し、活動領域を広げるべきでは」
「アルバイトなので嫌ならいつでも辞められる。代わりはいるので迷惑にならないぞ」
と思ったのだった。

初めてクレジットカードの売り込みで仮契約・本契約合わせ10件を取ったのだが、
翌日「勧誘がしつこい」旨、アルバイト先の店長からクレームがあり、かなり凹んだ。
自尊心とやる気が回復し、おいら独自の勧誘戦略・戦術を練り上げるまで、
2週間以上かかったが、正社員では こうは行かなかっただろう
(働き始めにおいて「凹んだため2週間休ませてください」は通用するまい)。

契約件数とアルバイトの報酬は、全く無関係であったが、
「営業スキルを獲得する!」という目的を達成するため、おいらは邁進した。

アルバイトという職責の軽さから、様々な営業的実験w を試行して、
凹んだら立ち直るまで しばらく休む、を繰り返し、ついには
「今日は、これまでの3ヶ月間の集大成として契約の記録を作る!」
と意気込んで、勤務時間8時間で仮契約・本契約合わせ19件を達成した。
30分に一人の割合で呼び込んで住所・氏名・電話番号を書かせた
ことになる計算であるが、もちろん お客さんからのクレームは一切無しだった。
えっへん!

このときは契約を取るために、口八丁手八丁で なりふり構わず
営業したのではなく、
 「万が一不正使用された場合、カード会社での弁済は対象外ですので、
  キャッシング機能は不要としておいた方が安全なのでお勧めですよ~」
とか、カード会社に不利であっても、お客さんの不利にならないように
説明・手続きを進めた。
こういうことをすると説明・手続きの時間が長くなり、お客さんには嫌がられる。
しかし、おいらは
報酬をもらう立場でも、自分で納得できないことは絶対に行わない主義。
おいらは散々嫌がらせをさせてもらったw

結果として、
 ・契約が取れそうなお客さんとダメなお客さんの見分け方の知見。
 ・お客さんのタイプ別に適用するセールストークの知見。
 ・おいら流の話術・表情・身振り手振り等のコミュニケーション能力。
 ・押しと引きのタイミング把握の知見。
 ・説明が長くなっても嫌がられない話し方、内容の運び方の知見。
 ・以前から何度も同じクレジットカードの勧誘が進められており、
  お客さんから嫌がられているという厳しい現場で、自分の仕事へのこだわり
  を押し通した中での契約19件という実績。
 ・もう、ホストだろうが、ヤクザの親分だろうが、どんな仕事(?)でも自分は
  対応できる、という絶大な自信(過信?)。
といった、おいらなりの「営業の極意」と「自信」を得た。

これらの得物は、おいらの人生において職責が軽いフリーターでなくては
得られなかったものだと思っている。
フリーターでも、本人の意志と努力次第で知見・スキルを得る事は可能。

しかしそれでも。

フリーターをやった中では、他にも
 ・スーパーのレジ打ち
 ・ミステリーショッパー
 ・イベント会場の設営・撤去
 ・倉庫作業
 ・工場での検品作業
 ・工場での組立作業
 ・引っ越し
 ・物流の運搬補助
 ・トラック運送の助手
とか、色々やっており、
世の中には色々な仕事があることが よく分かった。
そして世の中には色々なレベルの会社が存在するということも、
よ~く分かった。w

結局フリーター生活は6ヶ月で止めたが、
正社員時代は恵まれていたのだと身に沁みた。
職務内容・賃金・福利厚生の面で。

おいらが考えるフリーターの良い点。
 ・好きなときに働ける
 ・職責が軽いため、すぐ辞められる
 ・おもしろい
 ・色々な仕事を試せる
 ・様々な会社の内情を探れる

おいらが考えるフリーターの悪い点。
 ・賃金が安い
 ・職責が軽いため、高いスキルが身につく仕事が少ない
 ・社会保険(雇用保険・厚生年金)などの加入が無い
 ・長く続けられる仕事が少なく、短期間での打ち切りが多い
 ・少し不景気になると、真っ先に切られる
 ・一般的な職歴と見なされにくく、社会的な信用が低い

不景気である昨今。正社員がダメならば、
派遣の契約社員としてでも働いて、
仕事のやり方を覚えるようにすべきだ。
派遣先が大手なら、能力次第で正社員並みに稼げるものだってある。
目的とするスキルを得るためでなければ、
フリーターは長く続けてはいけない。
もちろん何もせずニート化するより
フリーターの方が良いことは言うまでもないが。


(官公庁でなく、民間で働く場合)年をとってくると、
「学歴」ではなく「職歴」「実力」がものを言うようになる。

正社員・派遣の正社員・派遣の契約社員(日雇い派遣は除く)として
まとまった年数勤めあげたということは、
 ・組織の中で正常な社会生活を営む能力のある人物であること
 ・その年数を勤めあげた根気のある人物であること
 ・勤めた会社組織の中で、有益な力を提供した実力のある人物であること
の証明に他ならない。

フリーターは、漢字では「不利―多ー」と書く。
フリーターを続けていると人生にとって不利だ。

30~35歳位迄に3年以上(5年以上を推奨)の
まとまった正社員・契約社員経験が無いと、
人生 辛くなると思うぞ。

また働くときはアンテナを高くして、
手を抜かずスキル獲得に励もう。
目先の気楽さ・利益だけでなく、10年先や20先後を見据えて行動しよう。


と、現在無職のおいらが書きました!

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